庶民の生活に密着したのれん
オリジナルのれんというのは日本独特の店舗アイテムですが、これの歴史は古く縄文時代からという説や、平安時代からという説などさまざまなものがあります。しかしのれんに屋号や業種などの文字を入れるのれん名入れが始まったのは江戸時代初期の頃からだと言われています。
戦前まで飯屋や居酒屋などののれんはお客が帰る際、肴をつまんで汚れた手をちょっと拭いていくという風習がありました。このため、のれんが汚れている店が繁盛しているという目安にもなったとされる話は有名です。
また、派生的な意味合いとして営業中かどうかの目安としても活用され、店を閉める際にのれんをしまうことから、「のれんが出ている=営業中」ともされています。
のれんはその店の顔としての意味合いでもしばしば活用されています。「のれんにあぐらをかく」という言葉がありますが、これは、その店の知名度が高いことをいいことに、なんの努力もしないさまを言います。
この言葉からもわかるように、店の名前もしくは、その店自体の代名詞的な役割として使用されます。日本独自の伝統的文化工芸品としてはこのように、遥か昔から庶民の生活に根強く密着していたのです。